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身の丈に合わないブランド映画

あれ、なんだろうこの映画? と思ってDVDをふと手にして、期待せずに見たらなんだかとってもよかった! そんな映画が私は好きです。で、偶然そういう映画に出会えたりすると、なんだかすごく得した気分になります。

一方で、「この監督のこの映画」「この俳優のこの映画」というブランドを背負って、いやがおうにも見る前の期待度が高まる映画というのもあるわけです。ジョージ・ルーカスのスターウォーズシリーズなんていうのは、もうそのブランドだけでわくわく楽しめて、まあ、中身はどうであれ劇場に足を運ぶことそのものがイベントとなって楽しい。007シリーズも大好き。このあたりはもう、ディズニーランドに行くのと同じ感覚>笑。


そんな監督や俳優、シリーズもののブランド映画。みんなが知ってる有名ブランド(でも自慢してこれみよがしにもつのはちょっとかっこ悪い=ヴィトンやシャネルみたいなブランド)から、知る人ぞ知る老舗の堅実ブランド、さらにはマニア垂涎のインディーブランドまで。いろんな楽しみ方があるわけで。正しく楽しめる場合もあるけれど、時にはブランドがアダとなったり、ブランドが邪魔をする映画もあります。今回は私にとっての、「つらかったブランド映画」ってのをテーマにしてみました。

1作目は新作のこちら。
スウィーニー・トッドスウィーニー・トッド
(2008/01/12)
ティム・バートン、マーク・ソールズベリー 他

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まだDVDが出ていないので書籍のリンクでごめんなちゃい。

ティム・バートンとジョニー・デップのコンビなら、面白くないわけがない。ってか、このコンビの映画には、「シザー・ハンズ」からの流れを引いた、正攻法の娯楽映画とは違う、えもいわれぬ不思議なサブカルテイストがあるわけなんですが、ま、この「サブカル風」ってのがすっかりメジャーを凌駕する路線になっているわけで、その意味でもこの二人は今やとっても正しい「大衆映画」の担い手となっているように思います。

んなわけで、「面白くないわけがない」と見に行ったこの映画。
えっと。
見た人のどれだけが支持しての、アカデミー賞ノミネートなんでしょか。日本で見た人のどれだけをもってしてのヒット作なんでしょか。
もう意味不明。舞台作品が元になっていますが、そっちのほうがいいだろうなあ、きっと。
「あの」ティム・バートンと「あの」ジョニー・デップのブランド映画。面白いに決まってるでしょ? ほら、これが面白い映画なんだよ。これがクールでシュールな映像なんだってば。そんな無言の空気が始終映画館を支配していたようにも感じた2時間弱。ああ、いったいどこに行くんだ、ティムとジョニー。あ、面白かった人もいますか? ま、ブランドの好みは人それぞれですからね。仕方がありません。


そういえば、私にとっていい意味でも悪い意味でもの最大のブランド監督はこの人です。
ジャン・リュック・ゴダール。

名前は誰もが知っているヌーヴェルバーグの旗手。若いころからあこがれていた有名ブランドのバッグのような存在。ヌーヴェルバッグ、、、、なんちゃって(おやじか、お前は)。
なんたって、このゴーダールというブランドは私の若いころに「勝手にしやがれ」っていう超有名バッグを作って一世を風靡したのです。ああ、あれは素敵だったわねえ。忘れられない。見てよこのジャケット写真。こんなかっこいいもんを10代にリアルタイムに近い形で楽しめたなんて、私はほんとに幸せだわ。

勝手にしやがれ勝手にしやがれ
(2002/09/27)
ジャン・ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ 他

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だから、新作が出たら迷わず手にするわ。あったりまえじゃないの!

アワーミュージックアワーミュージック
(2006/05/26)
ナード・デュー、サラ・アドラー 他

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これよ! これ、と。わくわくと手にして実際に持ち歩いてみると「あら、これじゃ私の財布は大きすぎて入らない。携帯も化粧ポーチも入らない。財布とポーチを買い換えないと使えないかも。電車に乗ろうと思ったら、改札口でバッグが開かなくてすっごい苦労。ってか、これ。すっごい使いにくくない??????」
…ってなことで、実際には結局持ち歩かなくなってしまうようなそんなブランドのバッグみたいだった「アワー・ミュージック」。
続いて手にしたパッションも、ううむぅううう。


もう見ない、もう手にしないぞ! そう言い聞かせているのに、でもね。新作が出ると「あら、やっぱりこの口金の装飾はとってもきれいねえ。刺繍が丁寧で、さすがだわ。」なんて楽しんでしまう。使い勝手はこの際どうでもいいのね。だってゴダールブランドなんだから。
ま、そう思って見続けているのですが、中身よりブランド名と思わせちゃった時点で作り手としては、もうおしまいじゃないの? (涙)


さてさて。
そんな老舗ブランド。ゴダールの場合は「わけわかんね」とか「彼の時代はもう終わったってことよね」なんてことを、まさに勝手にしやがれ状態であれこれ書き散らせるわけなのですが。同じブランドでも、口が裂けてもそんなことは言ってはいけないような気になる監督というのも、います。

永遠の語らい永遠の語らい(2005/01/28)
レオノール・シルヴェイラ、ジョン・マルコヴィッチ 他

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マノエル・ド・オリヴェイラ。1908年ポルトガル生まれの奇才。『アブラハム渓谷』(93)や『階段通りの人々』(94)でも有名なこの監督は、60歳を過ぎたころから旺盛な創作意欲を見せはじめ、1990年から2003年までの間は、一年に1本づつコンスタントに作品を撮っています。す、すご。。。。ってか、こわ。これってつまり82歳から95歳の間にですよ、95歳! このエネルギー、この執念。

「観客の感情だけではなく、理性も納得させたい。
派手な作品であれば、人は振り向きますが、
それらには実は魅力もなければ深さもありません。
観客はもっと素晴らしいものに値するものだと思います。」 マノエル・ド・オリヴェイラ談

オリヴェイラは観客に理性と知性と深い理解力を容赦なく求めてきます。あたかも、「私のこの映画を理解するあなたは、素晴らしいものに値する」とでも言いたげに。逆に言えば、理解できない私は何者にも値しない。そんな試され方をされているような気分になることも多い彼の作品。

この「永遠の語らい」をすべて見終わるのに4日間かかった私は、すみません、もう何者にも値しません。ごめんなさい。顔洗って出直してきます。もう、そんな風にしか言えない気持ちになるのがオリヴェイラ作品です。「ゴダールの時代は、やっぱりもう終わったよね」なんていうのと同じレベルで、決して語れないこの監督の底力、オーラ。何なんだろうと思います。難しく、静謐で、見るものを拒むようなこのストーリーの中に、大切な何かを見出せる人になりたい。そんな気分になります。


オリヴェイラと同じ視線で、「わからないとは到底いえぬ。頭をたれて己の至らなさを認めます」といわざるを得ないもうひとりの監督がこの人。
素敵な歌と舟はゆく素敵な歌と舟はゆく
(2002/10/02)
オタール・イオセリアーニ、ニコ・タリエラシュヴィリ 他

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オタール・イオセリアーニ。こちらは1934年旧ソ連グルジア共和国生まれ。99年、カンヌ国際映画祭に特別招待作品として出品されたこの『素敵な歌と舟はゆく』は、ルイ・デリュック賞、ヨーロッパ映画アカデミー選出による年間最優秀批評家連盟賞を受賞てロングラン・ヒットを記録しました。
独特なイオセリアーニワールド。えっと、嫌いじゃありません。こういう世界は大好きなはず。うん。でも、大好きだから気持ちよくなって全部見るのに5日もかかっちゃったのかしら>涙。 でも「退屈です」とは絶対に言えません。そんなことを多少は映画に造詣のある人たちの間で言ったら、「顔を洗って出直してきなさい」といわれてしまうこと必須です。だってイオセリアーニなんですもの。

なんていうか、そういう批判を許さない雰囲気のブランドというのは、あるものなのだと思います。とにかく、この「素敵な歌と船は行く」は傑作なのです。傑作ということになっているのだから、その価値がわかる私であらねばならぬわけで、そこに到達するには少々修行が足りないと思う私は、静かに頭をたれて己の至らなさを恥じて認めて、あとは黙して多くを語らず。それが正しいイオセリアーニの鑑賞方法。が、がんばる!

ちなみに、「素敵な歌と~」の次の作品は
月曜日に乾杯!月曜日に乾杯!
(2004/05/08)
ジャック・ビドウ、アンヌ・クラヴズ=タルナヴスキ 他

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これは、私は下高井戸シネマで見た記憶があります。何度か船をこぎながら、でもちゃんと楽しく鑑賞終了。で、改めて思うのですが、ゴダールもオリヴェイラもイオセリアーニも、やっぱり劇場で見るべきブランドなのだと思います。私の暮らしの中に持ち込んで、休日のベッドの上で私の意志でいつでも巻き戻したり一時停止できるような状態で見るべき映画ではない。映画館という彼らの場所に私が出かけていくことで、でじっくり対峙するのに見合った監督というブランドなのではないかと思ったりもします。
自分の暮らしの身の丈の中で楽しむだけじゃなくって、たまにはちょっと身の丈に会わないもの、なんか自分とは違う世界だなあと思うものにも、ちゃんと向き合うことも大事だと思わせてくれるブランドの存在って、実はとっても大切なのかも。

何年かあとに、また見てみたいと思う映画たちです。


ああ、その意味ではティム・バートンの「スウィニー・トッド」は、休日のベッドのDVDで見ればよかった映画。あ、違うか。そこで見たらたぶん、開始15分でやめちゃってるかも>笑
どちらにしても、ブランドはブランド店で。
ドンキ・ホーテやコメ兵なんかの売り場で見ちゃだめ! ってこと。
きちんと正規ブランド店に足を運んで見るというのが、正しいのかもしれません。
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